細野晴臣の名古屋クアトロ公演(2015年6月16日)のレポート再掲載です。
2013年に京都磔磔で観た際は、原発事故に言及したり内省的な印象のライブでした。今回はまるで若手ミュージシャンのようにはじける細野さんが居ました。50年代以前のポピュラー・ソング、カントリー、ウエスタン・スイング、ロカビリーを次々に演奏し、映画の影響でジェームス・ブラウンをカヴァーして激しく踊ったり、バンド・メンバーとのかけ合いからも本気で楽しまれている様子が伝わってきます。
「速い曲しかやらない。好きなことしかやらない」と断言してギターをかついで軽快に踊る細野さんはまるでやんちゃな少年のようです。「カヴァーばっかりだね。オリジナルをやってもカヴァーと言われる」とおどけて見せたり。
「速い曲しかやらない。好きなことしかやらない」と断言してギターをかついで軽快に踊る細野さんはまるでやんちゃな少年のようです。「カヴァーばっかりだね。オリジナルをやってもカヴァーと言われる」とおどけて見せたり。
スティール・ギター、マンドリンなど次々持ち替えて演奏する高田漣に「前日は(名古屋今池の得三で)彼ら3人のステージをこっそり観てた。うまかったんだね。初めて知った。僕、必要ないんじゃない?」と言って困惑させたり。ベースの伊賀航に「忍者じゃないの? だっていつもすぐ消えるじゃない? (君もTV番組の)『ファミリーヒストリー』出なよ」と言って会場中の笑いを誘ったり、ドラムの伊藤大地には「他の2人は10年くらい一緒にやってるけど彼とは6年? 野音で飛び込んできて。本当だよ、ドラムが飛び跳ねてたもん」と回想します。
MCでは名古屋での思い出を軸にコミュニケーションと音楽について様々なことを。知人のヨウジヤマモトと名古屋行きの新幹線で同じ車両にたった2人乗り合わせたのにお互いに一言もしゃべらなかったと。「「僕はちょっと」のセルフ・カヴァーを依頼されて、僕はちょっと、と断ったからかな?」と肩をすくめる。
「名古屋で捕まえたタクシーの運ちゃんが荒っぽくて、僕は小さな声で大きなつもりで抗議した。東京は狭くてちょっとの音で苦情が来るから節分の豆まきも小さく叫ぶ。音楽もそうなんだ。ずっと大きい音を出すバンドが最近多いけど、僕らは小さいのと大きいのとちゃんと差があります」と音圧競争に苦言を呈するようでした。
「名古屋で捕まえたタクシーの運ちゃんが荒っぽくて、僕は小さな声で大きなつもりで抗議した。東京は狭くてちょっとの音で苦情が来るから節分の豆まきも小さく叫ぶ。音楽もそうなんだ。ずっと大きい音を出すバンドが最近多いけど、僕らは小さいのと大きいのとちゃんと差があります」と音圧競争に苦言を呈するようでした。
かと思えば「名古屋でコーヒー飲もうと深夜のファミレス入ったら、後ろで娘さんと楽しそうに話してるおじさんの声がしたんだ。気になって振り返ると独りだった。その向こうで二人連れの女性客が会話してて」と実はその男性は独語していたという話を真顔で話し、その店にまた行きたいけど見つからないと付け加えます。
やがてライブ終盤に、終戦直後の1947年生まれであることを語り、当時米兵が本当にチョコをくれたんだと話してブギウギ・ナンバーを演奏。「女性の方はいない? 僕のライブは子どもが喜ぶから連れてきてほしい」と客席を見回して、「まだいないか」と嘆息をつつかれたように見えました。
やがてライブ終盤に、終戦直後の1947年生まれであることを語り、当時米兵が本当にチョコをくれたんだと話してブギウギ・ナンバーを演奏。「女性の方はいない? 僕のライブは子どもが喜ぶから連れてきてほしい」と客席を見回して、「まだいないか」と嘆息をつつかれたように見えました。